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2021年6月1日
SNSでお急ぎ指導

~SNSでテスト前に緊急おたすけ指導!~

 早いものでもう6月になりました。中高生のみなさんは中間テストの結果どうでしたか。

     私の担当している高校生のA君も5月末頃に定期テストがあり、試験前は夜遅くまで熱心に勉強したと言っていました。そんなA君からある日スマホアプリでこんな相談が届きました。

    「数学の試験範囲を解いていたところ、分からない問題がありました。」とのこと。

     そのためテスト対策が頓挫してしまったそうです。でもA君の指導は1週間に毎週1回なので次の授業日の前にテストがやってきてしまいます。

     

    (やる気なくして放り投げちゃうときって、たいていこういう瞬間だよね・・・)

    そこで!!

     いつでもどこでも助けを呼ぶ声を聴いた瞬間、授業を始める坪井先生の出番です。今回はそのままスマホアプリを使って問題を解説しました。これならテストにも間に合わせて解き方を習得することもできます。(蛇足ながら死力を尽くして頑張る彼に対する応援のひとつということで料金はいただきません。)

     テストも無事に済み申し分のない高得点を獲得し、めでたしめでたしのA君でした。

     これからも頑張れA君。努力は必ず報われます!!

     

     

    2020年12月29日
    方程式と特殊算(4)

    ~算数と数学ってどうちがうの?~

     

     前回は方程式という数学の問題を、数学を用いずに算数のみで解くという話をしました。何しろ中学受験の問題は、

    「数学を使ったら失格!使っていいとき方はあくまで算数だけ!」

    という恐ろしいルールがあるのでしたね。ところで数学と算数ってどこがちがうのでしょうか。それが分からない限り、何を使えばOKで何を使ったら失格なのかも不明です。ここはひとつ、この2つの違いを明確にしておかなくてはなりません。

    「そんなの簡単。小学校で習えば算数、中学校で習ったら数学。名前が変わるだけでしょ。」

     と思っている人がたくさんいます。でももしそうならば理科や社会や国語はなぜ名前が変わらないのに、どうして算数だけ名前を変える必要があるのでしょう。その理由は、2つの違いは名前だけではなく学問の内容から考え方まで根本的に違うからです。

     歴史を紐解くと数学と呼ばれる学問は、主にインド、アラブ社会から発展しそれがフランスなどのヨーロッパ社会に伝播し進歩していきました。今回取り上げた方程式というものは、「代数学」とよばれる数学の1分野です。この代数学というものは簡単に言うと、

    「わからない数をかりにXと置いてみて、それを計算式の中であたかも普通の数字と同じように扱っていくうちに、Xの数が判明する」

    という手法なのです。分かりやすいたとえ話に置き換えるなら、

    「ある日突然いなくなってしまった最愛の人を、あたかも実在する一人の人間と同じように話しかけたり一緒に食事をしたりしてふるまう。」

    というようなものです。代数学とは、存在しないものまで存在すると仮定して想像上の世界をひたすら歩き続けるような学問なのです。

     

    「そんな薄気味悪いことができるかっていうの。あるものはある。無いものは無い。数がいくつか分からないんだったら、分かるまで調べ上げていくしかないだろ。」

    と思ったあなたは、算数にとても向いています。

     算数の基本は、「逆算」です。数学が一番最初に「求めるもの」をXと仮定して計算を進めるのに対し、算数は分かっている数値だけを使ってひたすら計算を進めていき、最後に「求めるもの」にたどり着きます。

     算数はもともと物を数え上げていく方法から発展した学問ですが、こと日本では江戸時代以降、鎖国の影響で西洋数学の影響を受けることが困難となりました。そして問題のような特殊算の問題も方程式を立てることなく、和算とよばれる日本独自のガラパゴス的解法が確立されていったのです。

       

       

       

       

       

       

       

      2020年12月22日
      方程式と特殊算(3)

      ~算数は数学よりむずかしい~

       

       実は前回の文章問題は小学生の算数でも出題されています。ただしこれは特殊算と呼ばれる種類の算数で、一般的な小学校では扱われません。中学受験を希望する小学生は入試に出題されるで勉強しなければなりません

       

       「小学生なのに中学で習う方程式も勉強しないといけないなんて、大変だなあ。」と思う人も多いでしょう。でもそうではないのです。方程式は学習しません。文部科学省の学習指針として方程式はあくまで中学以降で履修する単元とされているので、小学生には出題されないのです。

       

       ということはつまりどういうことなのでしょうか。

      「この問題を解く上で、小学校で習ったこと以外の方法は使ってはいけない」

      ということなのです。中学以降で習うすべての解法は禁じ手なのです。この問題で方程式を使うのは、サッカーで手を使うことと同じで即レッドカードなのです。つまり小学生の方が難しいのです。

       

       受験算数の問題は、中学受験を経験したことがない人は東大生でも解けないといわれることもあります。みなさんは方程式を使わずにこの問題を解けますか。問題をもう一度載せます。

       

      問題:

       クラスの生徒に鉛筆を配る。1人4本ずつ配ると8本余り、5本ずつ配ると12本足りない。このクラスの生徒の人数と鉛筆の本数を求めよ。

       

       算数は決してあなどれません。我こそは方程式を使わずに解いてみようと思う人はぜひ挑戦してみてください。

         

         

         

         

         

         

         

        2020年12月20日
        方程式と特殊算(2)

        ~文章問題は表にまとめるべし~

         

         私立高校入試問題の過去問解説、第2回目です。著作権上の理由で高校名は掲載できませんが、水戸市内の私立高校の過去問の中から改題したものを解説しています。さて問題は以下のものです。

         

        問題:

         クラスの生徒に鉛筆を配る。1人4本ずつ配ると8本余り、5本ずつ配ると12本足りない。このクラスの生徒の人数と鉛筆の本数を求めよ。

         

           問題を表にまとめると右図のようになります。

           「鉛筆ぜんぶの本数」をXとしたとき、8本あまったのであれば、生徒たちに配った本数は8本少ないため(X-8)本。それを1人に4本ずつ配ったのであれば、配った人数は(X-8)を4で割った数なので、(X-8)/4人。

           また12本不足したのであれば、12本多めに鉛筆があれば配ることができたので(X+12)本あればよかったことになります。これを1人5本ずつ配ったなら、配った人数は(X+12)/5人。

           生徒たちの人数はどちらも同じなので、

          (X-8)/4=(X+12)/5

          という式が立ちます。あとはこれを計算して

          X=88

          Xはもともと「鉛筆ぜんぶの本数(表の1行目)」でした。

          そして「生徒数」は表の5行目で

          (X-8)/4、または(X+12)5

          のどちらかの式です。どちらを使っても同じ数になるので好きな方を選んでください。ここに先ほど計算した

          X=88

          を代入すると20となります。これが生徒の人数です。まとめると答えは

          鉛筆・・・88本

          生徒・・・20人

          となります。これで終わりです。めでたしめでたし。みなさんは解けましたか。

           

           数学の文章は数値がたくさん入り、表現も無味乾燥として独特でややこしいと感じる文が多くみられます。よって文章を見てそのまま式を立てるのが苦手な人も多いです。そういうときはどうすればよいか。コツの1つは上のように

          表にまとめる

          ということです。みなさんも文章問題を解くとき、上記の表を参考に表を作ってみてください。それができれば入試でどんな文章問題が出てきても、必ず正答できるようになるでしょう。

           

           

           

           

           

          2020年12月18日
          方程式と特殊算(1)

          ~一次方程式の文章題~

           

           中学3年の受験生Tさんからの質問です。

           

           「1月に受ける私立高の過去問を解いていて分からない問題がありました。教えてください。」

          問題:

           クラスの生徒に鉛筆を配る。1人4本ずつ配ると8本余り、5本ずつ配ると12本足りない。このクラスの生徒の人数と鉛筆の本数を求めよ。

           

           これは中1で習った一次方程式の文章問題です。方程式の文章問題は、県内の高校入試では毎年といっていいほどよく出題されています。毎年出題されているなら取りこぼさずしっかり正答しておきたい問題ですね。

           しかし文章題は「濃度」、「速さ」、「整数」、「増減」などたくさんの種類があります。そのうちのどれが出題されても確実に正答できるようになるのは、それほど容易ではありません。

           Tさんが解けなかった問題は、「過不足」と呼ばれるものです。みなさんは解けるでしょうか。我こそはと思う者はぜひ挑戦してみてください。正解は次回発表します。

           

             

             

             

             

             

             

             

             

             

            2020年12月16日
            過去問の季節(終)

            ~おいしいものから先に食べるのだ~

             

             前回はテストの問題数と試験時間から1問あたりの制限時間を決め、時間配分を意識しながら解く話をしました。今回はさらに踏み込んで問題を解く順序についてお話しします。

             

             みなさんはイチゴケーキを食べるとき一番最初にイチゴを食べますか。それとも大好きなイチゴはずっと残しておいて一番最後に食べますか。食べる順番は好みや性格にによってさまざまなので、食べる人自身が自由に決めればよいことだと思います。ただし、それはイチゴケーキを食べる時間に制限がない場合に限る話かもしれません。

             

             もしも、あるケーキ屋さんに入ったらバスケットボールほどの大きなイチゴケーキが出てききたとします。イチゴケーキが大好きなあなたは、夢のようだと大喜びで食べようとしました。しかし残念ながらおいしい話には必ず裏があります。なんと驚くことに、このケーキを食べる時間には10分という制限があったのです。

             それでもイチゴケーキが好きなあなたは果敢にケーキに挑みました。しかしそんなあなたにはさらにつらい試練が待っていました。このケーキはイチゴ以外の部分がことごとくすべて不味いケーキだったのです。あなたがイチゴを最後まで取っておいたら、イチゴを食べる前に時間切れになるかもしれません。

             

             かなり現実味のないたとえ話をしてしまいましたが、試験も同じだと考えてください。生真面目に1番から順に解いていった生徒が、不味くて食べきれそうにないほどの難問に大半の時間を奪われて全部解く前に試験終了したとします。そして終了後に問題用紙を見たら、後ろの方に自分の得意な問題がどっさり出題されてることに気づいたとします。きっとその生徒はこう後悔するでしょう。

            「得意な問題から先にやれば受かっていたかもしれない。」

            と。

             試験問題は最初から順番に解く必要はありません。まず全体を見渡してください。そして大問ごとにどんな問題が出題されているかを把握してください。そして自分の得意な確実に製糖できそうな問題から順に解いて下さい。この作業は一見時間がもったいないように思うかもしれませんが、いきなり解くよりはるかにタイムロスが減ります。

             

             茨城県内の高校入試は他県より早く、1月中旬には私立高校の入試が始まります。このブログに書いたことを試しながら志望校の過去問を解き、本番の試験のシミュレーションを綿密に組み立てて下さい。頑張れ受験生!

               

               

               

               

               

               

               

              2020年12月13日
              過去問の季節(3)

              ~テストが始まったら最初にすること~

               

               今日から過去問を解く上ですべきことを具体的に述べていきます。

               まず試験が始まったら最初にすること。もちろんそれは答案用紙に記名することですが、これは学校などでも先生に教わってることだと思うので説明は省きます。記名の次にすべきこと。それは問題を解くことでしょうとみなさんは思うかもしれません。でもそれはあまりお薦めしません。

               

               名前を書いたら次にすることは、問題の量を知ることです。と言っても1問ずつ数えなくていいですよ。テスト問題には通し番号があるのです。問題用紙の一番最後のページをめくって下さい。そこに大問8と書いてあれば、当たり前の話ですが全部で8問です。

                次にすることは割り算です。問題1問あたりの制限時間を設定することです。茨城県立入試の数学などは、たいてい全8問で50分です。試験時間が50分であれば「50÷8=約6分」ということになります。

               計算してみて初めて知った人はびっくりしたことでしょう。大問1問にたったの6分しか時間は用意されていないのです。無計画に解いていたら半分も解いてないうちに終了になります。

               チャイムが鳴ったら猪突猛進するように、目に飛び込んだ問題をただやみくもに解くだけでは合格点は取れません。目の前の一点に囚われず大きな視点で試験問題全体を意識しながら、与えられた時間をフルに活用することが正答数を増やす秘訣なのです。

               「そう言われても、そんなことが簡単に出来たら苦労しないよ」と頭を抱える受験生もいることでしょう。その通り、そんなことは簡単にはできません。だから事前に何年分も過去問を解く必要性があるのです。時計を見ながら時間配分の練習をして何度もリハーサルを試みながら、最も高得点を獲得できるペース配分を体得してください。入試本番前にそれを習得できたとき、入試対策はほぼ成功と言えるでしょう。頑張れ受験生!

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                 

                2020年12月7日
                過去問の季節(2)

                ~第2志望校の過去問は解かなくていいか~

                 

                 過去問の解き方の第2回です。今日は前回の質問2について回答します。

                 

                質問2:

                 第1志望校の受験対策に時間をかけたいから、それ以外の過去問は勉強する時間がもったいないので解かなくていいですか。

                 

                 以前私が指導した生徒の中にOくんという高校生がいました。Oくんは偏差値42ぐらいの下位偏差値校の生徒であるにもかかわらず、非常に学力の高い生徒がいました。初回指導のときから不思議に思い率直にわけを聞いてみました。

                私「君すごくできるね。びっくりしたよ。君ぐらいの頭のいい人がXX高に通ってるのが不思議なぐらいだよ。(XX高の関係者様方すみません)」

                Oくん「実は僕、中3のとき最初は水戸一高を目指していたんです。でも県立入試の前に私立を3校ぐらい受験したら、初めて解くような難しい問題ばかりでショックを受けたんです。それでびっくりして志望校を大幅に下げXX高にしたんです。」

                 私「私立は受かったの?」

                 Oくん「3校とも全部合格しました。」

                 私「じゃあ滑り止めもしっかり確保できたんだね。」

                 Oくん「そうなんです。志望校を下げなければよかったなあ。」

                 私「私立はたまに見たこともないような難しい問題が出たりするけど、合格点が低いからね。」

                 Oくん「そうみたいですね。第一志望のことしか考えてなかったから、全然知らなかったです。第二志望も受験情報を調べたり、事前に過去問を解いておけば判断ミスしなかったかもしれないなあ。」

                 

                 たとえ第一志望校でなくとも、1日かけて受けに行く学校である以上は過去問を解く時間を割くに値しない学校はないと思います。また近年の茨城県内の高校入試については、私立校の入試も県立入試に似せて問題を作る傾向が強くなっています。つまり第二志望の過去問であっても、それを解くことは本命校の入試対策に十分有効なのです。

                 

                 たとえ予選であってもスポーツ選手は最善を尽くして試合に臨みます。一つ一つの予備戦でも最善を尽くして戦い、本命の試験で合格を勝ち取って下さい。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                  2020年12月7日
                  過去問の季節(1)

                  ~12月は過去問を解こう~

                   

                   12月に入ると、過去問を解き進める受験生も増えてきます。私の生徒たちもそれぞれが受験する大学や高校、中学の過去問を取り寄せて時計やストップウォッチを置きながら解き進めています。そこで今回は、入試対策に効果的な過去問の解き方について記していきます。

                   

                   第1回目は、まず「過去問は解く必要があるのか」ということについて述べます。

                  ときどき生徒からこういった質問を受けることがあります。

                   

                   

                  質問1:

                   時間が無くて過去問を解くひまがないので、解かずに本番だけ受けても大丈夫ですか。

                   

                  質問2:

                   第1志望校の受験対策に時間をかけたいから、それ以外の過去問は勉強する時間がもったいないので解かなくていいですか。

                   

                   両者とも共通している理由は「忙しくて解いてるひまがない」ということです。なるほど一見うなずける理由にも思えますが、果たしてそれは本当でしょうか。

                   私の指導経験から知る限り、こういう質問はむしろ逆に時間を無駄に費やし、直前までほとんど入試勉強をしてこなかった生徒から多く受けます。本番が近づいて急に慌てて勉強し始めた生徒が「時間がもったいないから過去問は解かない」と焦っているわけです。

                   「まあそう責めるなよ、生徒たち本人だって反省してるんだから」とおっしゃるかもしれません。確かにそうですね。私も「健康のために毎日60分有酸素運動しましょう」と医者に言われても、「はい、先生。明日から絶対」と思いつつ先延ばししてる意志の弱い劣等生です。生徒たちを責める資格は毛頭ございません。

                   でもほんとうに時間がないのか、今一度再検討してみて下さい。たとえば高校入試の場合、1科目の試験時間はたいてい50分程度です。そして1日の中で50分の時間もないほど忙しい中学生は私の知る限りいません。60分の運動をさぼる私が力説しても説得力はありませんが、時間は作ればできるはずです。 

                   過去問を解くとたったの50分で本番の敵の正体を事前に知ることができます。そしてその敵と戦う上で、自分のどの単元が弱点なのかも分かります。

                   また時間配分という重要な情報も知ることができます。学力は高いのに問題を解くスピードが遅い生徒が過去問を解かずに本番に望んだ場合、最悪半分も解けずに試験時間が終わってしまうこともあります。

                   ぜひ本番の前にリハーサルとして過去問を解くことを推奨します。

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                     

                    2020年12月2日
                    しもやけ(終)

                    ~世界は弱者に救われる~

                     

                     Wくんの話に戻ります。

                    Wくん:

                     先生、学校でダーウィンの進化論を習ったんですが、

                    「自然界は弱肉強食の社会で、弱者が滅んで強者が生き残る自然淘汰により種が進化する」

                    と教わりました。ということは弱い人や能力が低い人はいなくなって強い人や能力の高い人だけになる方が、人類は進化するんですか。

                     かつてこの発想のもとに人類を人為的に進化させようとした試みがありました。優生学という学問です。

                     

                     優生学による優生思想というのは以下のようなものです。

                    「人類の中から生物学的に劣っている遺伝子を取り除き優れた遺伝子のみを残せば、その子孫は優れたものが増加し人類全体の進化と繁栄につながるであろう。」

                    そしてこの学問を科学的根拠に障碍者や病人、弱者、ユダヤ人を大量虐殺した人がいました。みなさんのご存知のとおり、歴史の授業で学習するヒトラーです。 

                     

                     でももしこの考えが正しいならば、ヒトラーの大量虐殺も人類全体の進化や繁栄につながることになるのでしょうか。実はそうならないのです。人道的、倫理的にはもちろん、科学的にも正しくないのです。

                     

                     なぜならばこの優劣の判定は、あくまで現在の自然環境のもとでの価値基準に過ぎないからです。自然環境が一変すれば強者と弱者の順番も逆転します。マラリアのような予期せぬ感染症が感染爆発すれば、今まで弱者と見なされていた鎌状赤血球貧血症の患者たちは、強力な免疫力の持ち主です。もしもヒトラーが彼らを劣性遺伝子の保有者という理由で虐殺してしまったら、人類は進化するどころか滅亡してしまうかもしれません。

                     

                     ダーウィンの進化論を正しく理解するならば、むしろ弱きものや小さきものを認め多様性のある集団であることこそが人類の進化につながることかもしれませんね。

                     

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                       

                      2020年11月30日
                      しもやけ④

                      ~鎌状赤血球~

                       

                       前回のWくんの話からさらに少し脱線しますが、以前黒人に限定して遺伝する変わった貧血が報告されました。原因究明のため医学会で患者たちを検査したところ、この貧血患者たちの赤血球がなぜかみな円形ではなく、鎌のように押しつぶれていたのです。

                       初め多くの医者たちは、これを先天性の障害と結論づけていました。しかし研究を進めていくうちに、この遺伝性の貧血患者たちには特別な能力が備わっていることが発見されたのです。

                       それはこの貧血症でない正常な人と比べて、マラリアという感染症にかかりにくいという能力です。

                       マラリアとは、マラリア原虫という病原体が赤血球内に侵入し寄生することによって起こる感染症です。この病気はアフリカ大陸などの熱帯地域に多く分布し、この病気にかかると高熱や意識障害を起こし、最悪の場合死に至ります。

                       鎌状赤血球型貧血症の患者たちは、なぜこのマラリアに感染しにくいのでしょうか。それは彼らの赤血球の形が円形ではないからです。

                       おそらくはるか昔の古代アフリカ大陸で、マラリアによる感染爆発が起き人類が絶滅の危機に瀕したとき、その人類のうちの何人かに突然変異が起きました。それは、あんドーナツのように円い赤血球の形が、鎌のようにつぶれてしまうという変異です。

                       この変異を遂げた者は赤血球の容積が減り、一度に多くの酸素を運べなくなります。その結果正常な人のように激しい運動は出来なくなってしまいます。

                       その一方、つぶれて小さくなった赤血球の中にはさすがのマラリア原虫も寄生しにくくなります。この魔法のように不思議で特別な免疫能力を獲得した貧血症患者たちは、感染爆発の状況下でもマラリアが移ることなく、この地球上に生き残ることができたのです。

                       

                       科学の本を一読すると、進化は一本の道のように劣ったものから優れたものへと変わることのように思いがちですが、実はもっと多義的で多様性に富んだ現象なのです。

                       

                       ふだんは体育の授業でも速く走れず激しい運動もできない貧血症のクラスメイトが、とんでもないような感染症が出現したとき、人類の救世主になってくれることもあるかもしれませんね。

                         

                         

                         

                        2020年11月29日
                        しもやけ③

                        ~できない子もできる子~

                         

                         しもやけの話から少し脱線しますが、あるとき生徒のWくんから次のような質問を受けました。

                        Wくん:

                         先生、学校でダーウィンの進化論を習ったんですが、

                        「自然界は弱肉強食の社会で、弱者が滅んで強者が生き残る自然淘汰により種が進化する」

                        と教わりました。ということは弱い人や能力が低い人はいなくなって強い人や能力の高い人だけになる方が、人類は進化するんですか。

                         Wくんの質問、みなさんはどう思いますか。

                           

                           

                           

                          2020年11月24日
                          しもやけ②

                          ~赤血球とあんドーナツ~

                           

                           前回のクイズの続きです。問題はこれでした。

                          問5:ということは場合によっては赤血球の方が毛細血管より直径が大きくなってしまいます。これでは冬でなくても、赤血球が毛細血管を通過できずに詰まってしまいます。でもヒトは1年中しもやけにはなりません。なぜでしょうか。

                          (難関大学入試レベル、あるいはナゾナゾ)

                           

                           答えはみなさんの何人かは予想できたかもしれませんが、赤血球の形のせいです。

                          赤血球は細胞の中でも変わり種。一般的な血球細胞が球形をしているのに対し、赤血球は円盤状です。しかも中心部分はあんドーナツのように、へこんで真ん中が薄くなっています。この形のおかげで細い血管内を通るときは、状況に合わせて折れたり曲がったりするのです。

                             もしも赤血球がボールのようにきれいなまん丸だったら、わたしたちの毛細血管は詰まっていたかもしれませんね。長い進化の過程で赤血球があんドーナツに変身したとき、同時に彼らは柔軟に変形しながら難局をすり抜ける能力を身に着けたのです。

                             変な形だからと馬鹿にしてはいけません。人と細胞は見かけで判断できないものですね。

                             

                             

                             

                            2020年11月24日
                            しもやけ①

                             今年の冬はとても暖かい日が続いていますが、冬といえば私たちが子供の頃はよくしもやけに悩まされる季節でした。

                             しもやけというのは、寒さのために手足の指先などに血行障害が起き炎症が生じることです。ここで理科の問題、何問答えられるかな。

                             

                            問1:血液中の成分の1つで、体の各細胞に酸素を送る働きを持つものは何か。

                            (答)赤血球(中2レベル)

                             

                            問2:指先などの抹消組織の血管の名前を答えよ。

                            (答)毛細血管(中2レベル)

                             

                            問3:赤血球の直径はいくつか。

                            (答)7~8μm(高2レベル)

                             

                            問4:毛細血管の直径はいくつか。

                            (答)5~20μm(高2レベル)

                             

                              問5:ということは場合によっては赤血球の方が毛細血管より直径が大きくなってしまいます。これでは冬でなくても、赤血球が毛細血管を通過できずに詰まってしまいます。でもヒトは1年中しもやけにはなりません。なぜでしょうか。

                              (難関大学入試レベル、あるいはナゾナゾ)

                               

                               答えは例によってまた次回です。

                               

                               

                               

                              2020年11月22日
                              名解答珍解答

                              ~思わず丸にしたくなる名誤答~

                               

                               テストというものは常に正解が求められ誤答は排除されます。ですがそれはテストの中での価値基準。狭くて小さなA4用紙の外側へひとたび抜け出してみれば、間違った答えの中にも生徒たちの独創的で自由な発想がうかがえる答えがたくさんあります。今日はそんな名解答ならぬ名誤答を紹介します。

                               

                               問1 【社会】

                               戦国時代に天下を統一し、刀狩や検地を行った戦国の武将の名を答えよ。

                              (答)とよとみひできち

                               生徒談「漢字で書いてたらいつもテストで丸だったから気づかなかったけど、秀吉はヒデキチって読むんじゃないんですか?」(今まで丸もらえてよかったけど正しくはひでよしです)

                               

                               問2 【理科】

                               二酸化マンガンに薄い過酸化水素水を加えたとき、発生する気体の名前を答えよ。

                              (答)毒ガス

                               生徒談「問題文を読んでいたらそんな気がしたので・・・」(確かに!気持ちはわかる!)

                               

                              問3 【英語】

                               次の文を和訳せよ。

                                The next moment, Armstrong walked on the moon.

                              (答)次の瞬間、強い腕が月の上を歩いた。

                               生徒談「自分でも訳してて意味が分からない文だと思ったけど、アームストロングって人名だったんですか?」(人類で初めて月面を歩いたアポロ11号のアームストロング船長です)

                               

                               問4 【算数】

                               花子さんの時計は1時間に5分ずつ遅れます。花子さんは4月1日にその時計を正しい時刻に合わせました。その1か月後の5月1日にその時計を見たら、時計の時刻は7時30分でした。この時の正確な時刻は何時何分でしょう。

                              (答)時計屋さんに修理してもらって、直った時計をもう一度見る。

                               生徒談「それが一番正確かなと思ったので・・・」(先生も同意見です)

                               

                                 問5 【社会】

                                 東大寺を建造した人は誰か答えよ。

                                (答)大工さん

                                 生徒談「何も浮かんでこなかったので・・・」(でもその答えは決して間違っていません)

                                 

                                 テストの中の正解は1つだけだとしても、正しい生き方や考え方は無数にあると思います。生徒たちの名誤答のように、型にとらわれない自由な発想を私もまた持ち続けたいものです。

                                 

                                 

                                2020年11月19日
                                走れイノシシ

                                 本日は水戸市城東からひたちなか市市毛にかけて、なんとイノシシが出現しました!しかもまだ逃走中で捕獲されていないとのこと。付近にお住まいの方々は外出時くれぐれもご注意ください。

                                 ところでこのイノシシくん、十二支にも出現しています。年賀状を書くときにおなじみの

                                というやつです。この順番にそれぞれの漢字は

                                ネ(ズミ)・ウシトラ・ウ(サギ)・タツ・ミ(ヘビ)

                                ウマヒツジサルトリイヌ・イ(ノシシ)

                                 を表すことは御周知のとおりですね。

                                 イノシシくんあんなに足の速いのに、いったいなぜ一番最後なのでしょう。イノシシが出た記念にひとつ物語をご披露します。題して

                                 

                                ~走れイノシシ~

                                 今は昔、天国の神殿におわせられる神様がこんなことを思いつきました。

                                 (神様)「そうじゃ!お正月の朝にわしのところにあいさつに来た者たちは、早く来た順に12人まで年のリーダーにしてあげよう!」

                                 それを聞いたネズミどんが、ウシさんにこの話を教えたところウシさんはこう言いました。

                                (ウシ)「ぼくはノロマでスローモ~だから、前の晩から出ないとお正月に間に合わないよ。さっそく今からモ~家を出るだモ~」

                                 かくして用意周到なウシさんはそれが功をなしたか神殿にトップで着きました。と思ったらそのときウシさんの頭の上を、ぴょんと飛び跳ねて先に神殿に入った者がこう言いました。

                                (ネズミ)「ありがとうウシさん!僕を背中に乗せてここまで連れてきてくれて!僕が1番になれたのもみんな君のおかげだよ!だけど僕が言うのもなんだけど、これからは小ずるい動物に利用されないようチューイしてね!」

                                イヌくんとサルくんも新春神殿マラソン大会に出場していました。がご存知の通りこの2人たいへん仲が悪く、競走中も競争心が過熱してしまい走りながらもケンカ騒ぎに。それを見かねた大人のトリさんが間に入って仲裁したところ、3人はそのままサルトリイヌの順でゴールイン。

                                 さて、本日の主役イノシシさんはというと・・・

                                 実は12選手の中で最も足の速い彼は、神殿に一番速くゴールインしていたのです。

                                 ですが・・・走り出したら止まらないまっすぐな彼は、

                                イノシシは走った

                                とにかく走った

                                そしてゴールに着いた後も神殿を通り過ぎ、ただまっすぐに走った

                                路行く人を押しのけ、跳はねとばし、イノシシは黒い風のように走った

                                   

                                  明くる朝ふと我に返ったイノシシくんは、走ることをやめ神殿に戻ってみました。すると他の選手たちはみなとっくにゴールに着いており、結局彼は12番目の最下位となってしまったそうな。

                                   

                                   十二支の昔話としてよく見かける物語ですが、作者や出典は不明です。受験生の皆さんも悔いのない結果を出せるよう、ゴールをしっかり見据えて最後まで走り抜けて下さい。

                                   

                                  2020年11月18日
                                  英検準2級対策
                                  「仮定法(終)」

                                  ~《かくれif》を見つけ出せ!~

                                   

                                   仮定法の最終回です。前回は、

                                   

                                   "would"は「未来の助動詞"will"」の過去形ではない

                                   

                                  というお話でした。もう一度問題文を見てみましょう。

                                   

                                   例題1:次の文を訳せ。

                                   All of my friends will go to travel. But I would not go anywhere.

                                   

                                    結論から言えばこの第2文目の"would"は仮定法なのです。「え?でもif節ないじゃん」と思いますよね。実はあるんです。けどかくれてるんです。

                                   

                                   この文を正しい和訳はこうです。

                                   私の友人はみなゴーツートラベルに行く予定です。だけど(もしそれが友人じゃなくて)私だったらどこにも行くつもりはありません。

                                     

                                     

                                     つまりif節は「主語の"I"(私)」にかくれていたのです。こういう仮定法を「かくれif」と当教室では呼んでいますが、実際に英語の文章に出てくる仮定法のほとんどは「かくれif」なのです。反実仮想は、下のようになっています。

                                    ゴーツートラベルに行く予定の人・・・私の友人たち(事実)

                                    ゴーツートラベルに行く予定の人・・・私(事実に反した仮想)

                                     

                                    過去とは考えにくいwould,could,might,shouldに遭遇したときは、「たぶんこれはかくれifの仮定法だろう」と予測を立てて、if節がどこに隠れているのかを探してみて下さい。それが見つけられるようになれば、仮定法の勉強は終了です。

                                     

                                     

                                    2020年11月12日
                                    英検準2級対策
                                    「仮定法⑧」

                                    ~wouldはwillの過去か?~

                                     

                                     仮定法の第八回目です。前回は、

                                     

                                     "would"を「未来の助動詞"will"」と同じように訳してはいけない

                                     

                                    というお話でした。ここで基本に帰って"would"を辞典で調べてみましょう。

                                     

                                    • would(助動詞)

                                        〔未来・意志〕の助動詞"will"の過去形

                                        …しただろう …したでしょう …したつもりだ

                                     

                                    なるほど、ではさっそくこの辞典に書いてある通りに"would"を"will"の過去形と考えて訳してみましょう。

                                     

                                     例題1:次の文を訳せ。

                                     All of my friends will go to travel. But I would not go anywhere.

                                     

                                     私の友人はみなゴーツートラベルに行くつもりです。だけど私はどこにも行かなかったつもりです

                                     

                                     こ、これでは、、、全然意味が分かりません!だいたい「未来の助動詞の過去形っていったいどういうこと?」って思いませんか。ここで確認として「未来の助動詞"will"の過去形としての"would"」を説明します。

                                     

                                    例題2

                                    I think he will be the next President.

                                    彼が次の大統領になるだろうと私は思う。

                                    この場合「彼が未来に大統領になる」と私は考えているので"will"を使っています。

                                     

                                    例題3

                                     A year ago I thought he would be the next President.

                                    彼が次の大統領になるだろうと一年前私は思っていた。

                                    この場合も「未来に彼が大統領になる」と私は考えているのですが、考えてるときが「3年前」なので文全体の時間設定が過去です。こういうときに未来の助動詞"will"も全体の設定に合わせて過去形"would"となります。

                                     

                                     

                                       例題1の文章は、第1文が現在形であることからも分かるように、全体の時間設定は現在です。なのでいきなり第2文から過去になると考えるのは無理があり、"would"もまた過去と考えるのは不自然なのです。

                                       この文の"would"が未来の助動詞"will"の過去形でないということまでは突き止められました。

                                       ではこの文の"would"って何なんですかね。

                                       続きは次回また。

                                       

                                       

                                       

                                      2020年11月11日
                                      英検準2級対策
                                      「仮定法⑦」

                                      ~wouldを適当に訳していませんか?~

                                       

                                       仮定法の第七回目です。前回の問題はこうでした。

                                       

                                       例題:次の文を訳せ。

                                       All of my friends will go to travel. But I would not go anywhere.

                                       

                                      ある生徒Aくんは訳はこうです。

                                       私の友人はみなゴーツートラベルに行くつもりです。だけど私はどこにも行かないでしょう。

                                       

                                       なるほど、Aくんは"would"を未来の助動詞として「~するでしょう」と訳したのですね。でもそれって"would"ではなく"will"なのでは?

                                       

                                       

                                      • will(助動詞)

                                          〔未来・意志〕

                                          …するだろう …するでしょう …するつもりだ

                                      Aくんの訳文の

                                      だけど私はどこにも行かないでしょう

                                      にあたる英文があるとすれば、それは

                                      But I will not go anywhere.

                                      のはずですね。でも問題文は

                                      But I would not go anywhere.

                                      です。「~でしょう」と訳した理由をAくんに聞いてみましょう。

                                       

                                       Aくん:「しょうじき"would"の訳し方わかんなかったんで、"will"と同じってことにして訳しちゃいました。」

                                       

                                         なるほど確かに正直な返答です。しかし残念ながらこの解答だと大学入試などでは減点の対象となります。とはいえAくんのように「"would"がよくわかんないから勝手に"will"ってことにして」訳して減点されている受験生は、実は非常にたくさんいるのです。問題文があくまで"would"と書いてある以上、"will"でなく"would"である意味あり、出題者はそれを理解しているかどうかを見ているわけです。

                                         

                                         "would"って何なんですかね。

                                         続きは次回また。

                                         

                                         

                                         

                                        2020年11月10日
                                        英検準2級対策
                                        「仮定法⑥」

                                        ~仮定法のどこが難しいのか~

                                         

                                         仮定法の第六回目です。

                                         

                                         前回までの話をまとめると仮定法の難しさとは

                                        1. 単なる「もしAならばBである」という文ではない。
                                        2. 反実仮想の表現である。
                                        3. 現代の日本語には反実仮想にあたる表現がないので、正確に訳出しにくい。

                                        という点でした。だったら

                                        「仮定法過去や仮定法過去完了、その他のイディオム構文を機械的にぜんぶ暗記して、反実仮想ということに注意すれば仮定法は攻略できますね!」

                                        と思うかもしれないが、話はそんなに簡単ではないのです。

                                         

                                         具体的に問題を1つ出してみましょう。

                                         例題:次の文を訳せ。

                                         All of my friends will go to travel. But I would not go anywhere.

                                         

                                          解答は次回お話します。

                                         

                                         

                                         

                                        2020年11月7日
                                        英検準2級対策
                                        「仮定法⑤」

                                        ~和歌を英訳して遊ぼう(仮定法と古文)~

                                         

                                         仮定法の第五回目です。

                                         

                                         仮定法が日本人にピンとこない理由は、日本語にこれに該当する固有表現がないからかもしれません。たとえば教科書の訳文などによくありがちな

                                        (もし彼の勝利宣言が真実であるならば、彼が大統領であろう。)

                                        だったらこの訳文は、勝利宣言が真実だとも嘘だとも表現していませんね。そういう点ではこの文は仮定法の訳としては正しくないのですが、ひとえにこの訳者を責めるのも酷な話なのです。というのも、現代の日本語には仮定法にあたる表現が存在しないからなのです。

                                         

                                         日本語の「もしAならBだろう」という文はもともと反実仮想のニュアンスが含まれていません。「条件を表すの"if"の文」と「仮定法」の2つは英語では異なる文として表現してるのに、日本語ではその2つの文をどちらも「もしAならBだ」と同じ1つの文で表現してるわけです。仮定法を正確に和訳できないのも、日本語の限界なのでしょうか。

                                         

                                         でも実は昔は日本にも仮定法があったのです。ここでいきなり古文のお話にワープします。

                                         

                                        わが背子と 二人見ませば いくばくか          

                                                  この降る雪の うれしからまし

                                        (万葉集)

                                         

                                        • まし(助動詞)

                                            〔反実仮想〕

                                            (もし)…であったら、…であるだろうに。

                                             …であっただろう。…であるだろう。

                                             ▽実際には起こり得ないことや、起こらなかったことを想像し、

                                              それに基づいて想像した事態を述べる。

                                         

                                         古文のこの「まし」という助動詞こそ仮定法、いわば日本の"would"なのです。この和歌を仮定法過去で英訳してみたら、さしずめこんなところでしょうか。

                                        If you were here and I saw this snow falling down with you,     

                                                                          how happy I would be now.

                                        (Manyoshu)

                                         今までに学習した語学を比較してまとめたり、和訳、英訳、現代訳、古文訳、漢文訳といろいろ翻訳をしてみるのも、語学力強化につながるかもしれませんね。

                                         歌の訳はこうなります。

                                        もし恋しいあなたと 二人で見られたならば         

                                         降りゆくこの雪景色も どんなに嬉しいものだったでしょうか

                                         

                                         そしてこの歌に込められたこの歌が最も言い表したい「そう思っても、あなたは今私のそばにはいない」という心情も、反実仮想の助動詞「まし」によって歌の中にちゃんと表現されています。

                                         

                                         いにしえの人々のことばの方が現代人の日本語より、いろいろな感情を表現していたのかもしれませんね。

                                         

                                         

                                         

                                         

                                        2020年11月6日
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                                        「仮定法④」

                                        ~日本語には仮定法がない?~

                                         

                                         仮定法の第四回目です。まず前回の最後に出した宿題の答え合わせをします、

                                         

                                         確認問題1:

                                        If his victory declaration were true, he would be the President.

                                        (もし彼の勝利宣言が真実であるならば、彼が大統領であろう。)

                                         上の英文の内容に一致する選択肢を次の3つの中から1つ選べ。

                                        • (a) 彼の勝利宣言は真実である。
                                        • (b) 彼の勝利宣言はうそである。
                                        • (c) どちらともいえない。

                                         解答にたどり着くために、まず上の英文が「仮定法」なのかそうではないのかを鑑別診断してみましょう。この診断は英語の意味などまるっきり分からなくたって、単純に文の形のみで特定できるから簡単です。問題文を仮定法の構文と照らし合わせながら、どれと同じか選んでみて下さい。

                                        【仮定法過去】

                                        If S -ed,        S' would -.

                                                    (過去形)      (would+動詞の原形)

                                         

                                        【仮定法過去完了】

                                        If S had -ed,        S' would have -ed.

                                                    (過去形完了形)      (would+have+過去分詞)

                                         

                                        【仮定法でない文(中学までに出てきた"if")】

                                        If S -,        S' will -.

                                         (現在形)      (未来形)

                                         (ただし仮定法でない文はこれ以外の形もたくさんあります。)

                                         

                                        【問題文】

                                        If his victory declaration were true, he would be the President.

                                                             (過去形)      (would+動詞の原形)

                                         

                                         こうして照らし合わせてみれば、問題文と一致する構文形は【仮定法過去】ということが分かります。したがって問題文は「仮定法」⇒すなわち「反実仮想」さらにすなわち

                                        ⇒「事実に反する仮定」

                                        を言っている文ということになります。

                                         ではこの文は何を仮定してるのでしょうか。ここにきて初めて英文の意味について考えてみましょう。

                                        (もし彼の勝利宣言が真実であるならば、彼が大統領であろう。)

                                        訳したらこうなるわけなので、仮定部分は「もし彼の勝利宣言が真実ならば」というところですね。これが事実に反する仮定であるということは、

                                        事実は「彼の勝利宣言はウソである」

                                        ということになります。ということで正解は(b)です。

                                         

                                         教科書や参考書の訳文は

                                         

                                        If his victory declaration were true, he would be the President.

                                        (もし彼の勝利宣言が真実であるならば、彼が大統領であろう。)

                                         

                                        なんて無味乾燥としたものが書かれている場合が多いのですが、この英文が表現している内容はほんとはこんなニュアンスなのです。

                                         

                                        If his victory declaration were true, he would be the President.

                                        (奴はまたいつものように大ぼら吹いて「わたしの勝利だ」なんて言ってやがるけど、あいつの話はぜんぶ真っ赤な嘘さ!もし奴の言ってる勝利宣言が真実だったら、俺たちの大統領はあの男ってことになっちまうんだぜ!そんなことが現実になるはずないだろう。まったくもってクレイジーなチキンのアメリカンジョークってもんさ!おーまいがっど!)

                                         

                                         訳文の後半にほんの若干、原文にない誇張表現もあったかもしれませんが、こんなふうにこの文は「勝利宣言は真実じゃない」というニュアンスを表現しています。中学で習った"if"だけの文にはそういうニュアンスは込められていません。この反実仮想のニュアンスこそが仮定法なのです。

                                         

                                         

                                         

                                        2020年11月5日
                                        英検準2級対策
                                        「仮定法③」

                                        ~仮定法の本質は「反実仮想」!~

                                         

                                         仮定法の第三回目です。前回は

                                         

                                        例3:If he studies English everyday, he will passed the test next year.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強すれば、そのテストは来年合格するだろう。)

                                         

                                        という文は仮定法ではないが、

                                         

                                        例1:If he studied English everyday, he would pass the test now.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強していれば、今頃はそのテストに合格しているだろう。)

                                         

                                        という文は仮定法であるという結論だけをお話しましたが、その理由は言わずじまいでしたね。当然ながら「なんで??」という疑問が湧き上がってくることと思います。今回はその理由を明らかにしながら、仮定法とはどういう表現なのかを解説します。

                                         

                                         仮定法には単に「もしAならば」という仮定だけではなく、もう1つ重要な要素が伴うのです。それは「反実仮想」と呼ばれるものです。

                                         

                                        【反実仮想】

                                         事実と反対のことを想定すること。 「もし~だったら… だろうに」のような言い方。(by うちの本棚の広辞苑)

                                         

                                         すなわち「もし~ならば」と仮定したことが、事実ではない場合が「仮定法」、事実の可能性があれば仮定法ではない「中学までに習ったただのifの文」となります。

                                         

                                         上の例文1と3は、全く同じ内容を書いているように見えながら、

                                         

                                        例3:If he studies English everyday, he will passed the test next year.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強すれば、そのテストは来年合格するだろう。)

                                        ・・・現実は、「彼は毎日勉強しなかった結果、テストに不合格となっている」という事実が確定している。その状況の下で、事実と正反対の仮定をして、「やってたら受かったのにね」と表現している。若干、後悔や戒めなどのニュアンスも込められてるかも?

                                        これが反実仮想であり、仮定法です。

                                         

                                        例1:If he studied English everyday, he would pass the test now.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強していれば、今頃はそのテストに合格しているだろう。)

                                        ・・・現実は「幸運にも不運にもまだ彼はテストを受ける前。合格するかしないかも確定していない未来のできごと。」その状況の下で、

                                        • (i)彼が毎日勉強した場合
                                        • (ii)彼が毎日は勉強しなかった場合

                                        の2つの場合を想定したときの(i)について表現している。数学の場合分けのように無機質に仮定を表現している場合もあれば、「今からやったら受かるよ。だったらいつやるの?今でしょ!」みたいに忠告や助言、戒め的なニュアンスが込められている場合もあるかも。

                                        いずれにせよ現実はまだテストに落ちてないので、「合格した」という表現は事実に反してない。よってこれは反実仮想ではないただの仮想、中学までに習った"if"の文「条件を表す副詞節の"if"」です。

                                         

                                         解説ばかり長引いても退屈なので、ここで1つ力試しの問題を出してみます。

                                         確認問題1:

                                        If his victory declaration were true, he would be the President.

                                        (もし彼の勝利宣言が真実であるならば、彼が大統領であろう。)

                                         

                                         上の英文の内容に一致する選択肢を次の3つの中から1つ選べ。

                                        • (a) 彼の勝利宣言は真実である。
                                        • (b) 彼の勝利宣言はうそである。
                                        • (c) どちらともいえない。

                                         

                                         正解は次回に発表します。

                                         

                                         

                                         

                                        2020年11月4日
                                        英検準2級対策
                                        「仮定法②」

                                         仮定法の第二回目です。この回では仮定法の基本知識を確認します。

                                        仮定法はいろいろありますが、大きく分けると次の2つの基本構文があります。

                                         

                                         文法名文の形文の意味訳例
                                        1仮定法過去過去形現在もし~すれば、今頃は~だろう。
                                        2仮定法過去完了過去完了過去もし~していたら、あのときは~だっただろう。
                                        中学で習ったifいろいろ もし~ならば~だろう。

                                         

                                         

                                        1.仮定法過去

                                        (構文)If S -ed, S' would -.

                                        (意味)もしSがーすれば、今頃S'はーだろう。

                                         

                                        例1:If he studied English everyday, he would pass the test now.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強していれば、今頃はそのテストに合格しているだろう。)

                                        この表現の場合英文の形は過去形ですが、表している意味は現在のことです。そして英文の時制に合わせて、名前は「仮定法過去」と名付けられました。(ややこしいーー><!)

                                         

                                        2.仮定法過去完了

                                        (構文)If S had -ed, S' would have -ed.

                                        (意味)もしSがーしていたら、あのときS'はーだろう。

                                         

                                        例2:If he had studied English everyday, he would have passed the test five years ago.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強していたら、そのテストには5年前に合格していただろう。)

                                         1のように現在のことを仮定法で表すときに過去形を使ってしまうので、過去を表すときはもう過去形が使えません。それで今度は過去完了形を使って表現してるんですね。で文法名称は形の方に合わせて名づけられているので「仮定法過去完了です(ややこしいー(+_+)!)

                                         

                                         

                                        ※中学までに出てきた"if"

                                        (構文)If S -, S' will -.

                                        (意味)もしSがーすれば、今頃S'はーだろう。

                                         

                                        例3:If he studies English everyday, he will passed the test next year.

                                        (もし彼が毎日英語を勉強すれば、そのテストは来年合格するだろう。)

                                         これは「もし~すれば」と仮定している表現ではありますが、「仮定法」という文法表現ではありません。文法的には「条件を表す副詞節」と呼ばれる表現です。

                                         「ということは今までに習ってきた「もしも~なら」の"If"の文は、仮定法じゃないの?」

                                        そうなんです。中学までに習ったifの文と「仮定法」は別のものなのです。じゃあどう違うかって?一番知りたい点はそこですよね。前回のKさんの質問も、そこが疑問点の核心でした。その解説は次回にお話しします。

                                         今回はまず「仮定法」と「中学で習ってきたif」の文の「形の違い」を中心に基本知識の確認と整理を記しました。

                                         ではまた次回にこの2つの文の「意味の違い」をお話しします。

                                         

                                         

                                        2020年10月31日
                                        英検準2級対策
                                        「仮定法①」

                                         高1で英検準2級の受験対策をしている日立に住むKさんからの質問です。

                                        【Kさんの質問】 

                                         「先生、最近うちの高校で仮定法というを習いました。もうすぐ受ける準2級の範囲にもなっていて英語の先生も難しいって言ってたんですが、これって中学で習った"if"とどう違うんですか。同じだったらちっとも難しくないと思うですけど。」

                                         確かに"if"は中学でも習いました。こんな感じの文ですね。

                                        例文1: If it is fine tomorrow, we will play tennis.

                                        (もし明日晴れれば、私たちはテニスをするつもりだ。)

                                         

                                         確かにこういう英文は中学時代もよく出てきましたし、これだって「もしも」の文章だから仮定にちがいないですよね。Kさんの意見もごもっともです。でもこの英文は高校で習った【仮定法】とは違うんです。ではいったいどこがどう違うのでしょうか。

                                         それは次回にお話しします。そして仮定法は実は、Kさんの学校の英語の先生が言った通りそんなに簡単ではなく、多くの高校生たちはこの表現を間違って訳しているのです。

                                         ではまた次回を乞うご期待あれ。

                                        2020年10月29日
                                        中間テストがやってくる(最終回)

                                        図1:一次関数(直線PQ)のグラフ

                                        「このPQの式を当ててみよ」と
                                        この問題は聞いているわけだが・・・

                                         さて、一次関数の求式の問題の最終回です。前回で「変化の割合」の式を用いて傾きaまで求め終わっているので、あとは切片bを求めるだけです。

                                         問題1: 

                                        2点(-1,3),(2,-3)を通る

                                        直線の式を求めよ。

                                         

                                            y=-2x+b

                                         前回の最後はここまででした。ここからbの値を計算するにはどうすればいいでしょうか。

                                        簡単ですね。bの計算ができないのは、b以外にも数値が分からない文字数xとyがあるからです。考察の順序をフローチャートに書くとこうなります。

                                         

                                        「bを計算できないのはなぜか?」

                                        「b以外にも数値が分からないxとyがあるせいで計算できない。」

                                        「ではbを計算するにはどうすればいいか?」

                                        「xとyの数値が分かれば計算できる。」

                                        「xとyに数を代入する。」

                                        「bが求められる。」

                                         

                                         ロジカルシンキングなんていうとたいそう高度なことをやっているかのように聞こえますが、実際はこのぐらい単純なことをしているだけです。「できない理由」を見つけ出し、それを変更する。そうすればおのずと誰もが答えにたどり着くようになっているのが数学なのです。

                                         ということでxとyに代入できる数は何があるかというと、

                                        P(-1,3)  Q(2,-3)

                                        のどちらかを代入すれば答えは出ます。どちらを代入しても同じ答えが出るので好きな方でいいですよ。私はQ(2,-3)を代入します。

                                        -3=2×2+b

                                        -2×2+b=-3

                                        -4+b=-3

                                        b=-3+4

                                        b=1

                                        よって求める式は

                                        (答) y=-2x+1

                                         式を求める問題は一次関数の中でもよく出題される問題です。ワークの中にもどっさりあると思いますが、しっかり解いて締め切りまでに提出してテストに挑んでください。ゆっくり解説しているうちに、もうあちこちの中学校ではテストが始まりそうですね。では戦に向かって皆の衆出陣じゃ!諸君の健闘を祈るぞよ!!

                                         

                                        2020年10月27日
                                        中間テストがやってくる④

                                        図1:一次関数(直線PQ)のグラフ

                                        「このPQの式を当ててみよ」と
                                        この問題は聞いているわけだが・・・

                                          前説が長くなりましたが、今回はついに

                                         問題1: 

                                        2点(-1,3),(2,-3)を通る

                                        直線の式を求めよ。

                                         この問題を解きます。ついに敵を攻略しますよ!

                                         まず説明のため2点を

                                        P(-1,3)  Q(2,-3)

                                        とすると、求める直線は右図1のようになります。

                                         そして前回の話で「直線の式」は一次関数の式となり、その形は

                                              y=ax+b

                                        となることまでは分かっているので、この

                                            a:傾き     b:切片

                                        の2つの数を当てられれば式は出ます。つまり犯人はaとbの2人、このaとbの正体を突き止めれば事件は解決するというわけです。

                                        図2:PQの傾きaの求め方

                                        赤い横線の長さ:xの増加量=3
                                        緑の縦線の長さ:yの増加量=-6

                                         ここではまず犯人aから先に追い詰めていきましょう。前回の話で、aは

                                             a=(yの増加量)/(xの増加量)

                                        という式で計算できることが分かりました。ということはaを求めるためには、xとyそれぞれの増加量を求めないといけないことになります。ということで2つの増加量を求めてみましょう。

                                        点Pから点Qまで進むとき、

                                        xは-1から2へと3増えます。(⊿x=3

                                        yは3から-3へと-6増えます。(⊿y=-6)

                                        ここで増加量の求め方も

                                         (増加量)=(変化後)-(変化前)

                                        として覚えておくと楽ですよ。

                                         表にまとめるとこうです。

                                          増加量の式増加量
                                         P Q(増)=(終)-(始)
                                        x-12⊿x=2-(-1)⊿x=3
                                        y3-3⊿y=-3-3⊿y=-6

                                        えておく求めた2つの増加量(⊿xと⊿y)をaの式に代入すると

                                        a=(yの増加量)/(xの増加量)

                                        =⊿y/Δx

                                        =-6/3

                                        =-2

                                        これで傾きaは-2と出ました。つまり直線の式は

                                              y=-2x+b

                                        ここまで突き止められたわけです。あとは最後の犯人の切片bを当てるだけですね。こちらの犯人は次回の取り調べで突き止めることにしましょう。

                                         

                                        2020年10月26日
                                        中間テストがやってくる③

                                         さて、前回の話で一次関数とは「最初から水が入っているお風呂に、一定に水をためていくときの、水の増え方」を表し、その式は

                                              y=ax+b

                                              a:1分間の水の増加量

                                              b:最初に入っていた水の量

                                        となりました。実際の式は

                                          y=5x+3

                                        とか

                                          y=7x+1

                                        のようにabに特定の数が入ります。つまり「一次関数の式を求める」ということは、このabがどんな数なのかを求めるということなのです。abは一次関数の命です。重要な数なので、ちゃんと名前もついてます。

                                             a:傾き     b:切片

                                         ここでにabについてもう少し説明します。

                                        図1:a(変化の割合)

                                        赤い横線の長さ:xの増加量
                                        緑の縦線の長さ:yの増加量

                                         まずaですが上の例の場合「1分間の」というのはたまたまそうしただけです。別に1秒間や1時間の一次関数もあります。また「水の量」を例にしたのもたまたまそうしただけです。走った距離(m)や増えた値段(円)でも一次関数になるので、一般化すると

                                             a:xが1増加したときのyの増加量

                                        となります。たとえば

                                        「xが1増えたとき、yが5増えたら、a=5」

                                        「xが1増えたとき、yが7増えたら、a=7」

                                        また

                                        「a=5なら、xが2増えたときyは10増える」

                                        「a=5なら、xが3増えたときyは15増える」

                                        ともいえるので、

                                             a=(yの増加量)/(xの増加量)

                                        となります。(これは「変化の割合の式」と呼ばれています。)

                                        図2:b(切片)

                                        直線とy軸の交差する場所の数値が切片

                                         

                                         そしてb

                                              b:最初に入っていたyの量

                                        となります。これはグラフの中では図2の

                                        「直線グラフとy軸との交点(赤点)」

                                        の数値を表します。

                                         

                                         

                                         

                                         

                                         ところで最初の問題は何でしたっけ。

                                         そうだ。10月24日のKさんからのこの質問でしたね。

                                         

                                        問題1: 2点(-1,3),(2,-3)を通る直線の式を求めよ。

                                         

                                         前説が長くなり、肝心の質問を忘れるところでしたが、この続きは次回に話します。

                                         

                                         

                                        2020年10月25日
                                        中間テストがやってくる②

                                        ~一次関数ってそもそも何なの?~

                                         

                                         定期テスト直前対策としての「一次関数」特集、第二回目です。そもそも一次関数って何

                                        なのか分からないというあなたは、おそらく教科書を開くと次の式を見つけるでしょう。

                                                 y=ax+b

                                        しかしこれが一次関数なのですと言われても、何なのかさっぱりわかりませんよね。

                                        図1:水の高さと時間
                                        (最初は空っぽ)

                                        y=5x(比例)

                                         ここで1つの例を挙げます。お風呂に水をためるときを想像してください。

                                         水道から水が流れるとお風呂の水面は高くなっていきます。もしも1分間に5cmずつ高くなっていくとすれば、水面は時間がたつごとに右の図1のように高くなっていくでしょう。

                                        時間が「0分、1分、2分、3分・・・」とたつにつれ、

                                        水面は「0cm、5cm、10cm、15cm・・・」と高くなるので、x分後の水面yは

                                                y=5x

                                        となります。

                                        (ちなみにこれは中1で習った比例と呼ばれるものです。)

                                         

                                        図2:水の高さと時間
                                        (最初から水が入ってる)

                                        y=5x+3(一次関数)

                                         

                                         しかしもしもこのお風呂の中に最初から水が少し入っていた場合、グラフはどうなるでしょうか。

                                         たとえば最初に3cmの水がたまっていた場合は、同じように1分間に5cmずつ水を入れると右の図2のようになります。

                                         水を入れる前からすでに水面は3cm高くなってるので、時間が「0分、1分、2分、3分・・・」とたつにつれ、水面は「3cm、8cm、13cm、18cm・・・」と高くなるので、x分後の水面yは

                                                y=5x+3

                                        となります。

                                         設定変更して水の量を勢いよく入れて1分間に7cmずつ、最初にためる水をもっと少なく1cmだけにすれば、この式もこう変わります。

                                                y=7x+1

                                         つまりこの式のの数は設定でなんにでも変わるので、

                                                y=ax+b

                                        と書いたのが、教科書の式というわけです。つまり一次関数とはざっくりと例えれば

                                        「最初から水が入っているお風呂に、一定に水をためていくときの、水の増え方」なのです。

                                         

                                         

                                        2020年10月24日
                                        中間テストがやってくる①

                                         10月も半ばを過ぎると、みんなの大好きなハロウィンの季節。でもこの時期に同時に忍び足で近づいてくる、モンスターより怖いものがあります。ご存知、中間テストですね。

                                         那珂市の中学2年生の生徒Kさんから、こんな質問が来ました。

                                        「先生!テスト終了日までにワークを提出しないといけないんですが、この問題で分からなくなりました!『課題提出しない生徒は放課後全員居残りだぞ!』と先生におどかされてます!助けて下さい!」

                                         

                                        問題1: 2点(-1,3),(2,-3)を通る直線の式を求めよ。

                                         

                                         出ました!かの有名な「一次関数」の問題ですね。一次関数といえば、中2の今頃に習う《中学数学最大のつまずきの場所》としても知られている単元です。つまりこの難所を超えた生徒はその後も数学が得意科目となりますが、ここでつまずいた場合はその後も数学が苦手で嫌いな科目となってしまう人が多いという非常に厄介な単元なのです。

                                         今回はちょうど各中学の定期試験が到来する時期ですので、それに合わせて中2の多くの学校でおそらく多くの中学で出題されるであろう「一次関数」の問題を複数回に分け解説します。

                                         中2の皆さん!この単元だけはKさんのように早くからワークにとりかっておいた方がいいですよ!ハロウィンのモンスター並みに手ごわい怪物ですのでご用心を!

                                         

                                         

                                        2020年10月21日
                                        秋の星座の物語

                                         すっかり秋めいてきましたので、今日は学校で教わった秋の星座のサイドストーリーです。テストには出ないお話なので、勉強しすぎて疲れてる良い子のみなさんにどうぞ。休憩がてらに軽く読み流してください。

                                        教科書や学習参考書などでおなじみの秋の星座で有名なものは、

                                        • カシオペア座・・・「Wの形を使って北極星を探そう」と学校で教わったやつですね
                                        • アンドロメダ座・・私たちがいる銀河系の外にあるアンドロメダ星雲で有名。
                                        • ペルセウス座・・・最も多くの流れ星が観測できるペルセウス座流星群で有名。

                                        といったところです。しかしこの3つの星座の真の姿は、実はこうなのです。

                                        • カシオペア女王・・・エチオピア王家の女王様。娘思いの母ですが少々高慢。
                                        • アンドロメダ王妃・・カシオペアの娘。絶世の美を兼ね備えながらも、お母さんの口禍により辛い運命を背負う。
                                        • ペルセウス王子・・・姫を救いに来る正義の王子様。

                                         

                                        この3人の間には、実はこんな神話があるのです。

                                         昔々あるところにエチオピア王家のカシオペアという女王がいました。女王には美しい姫アンドロメダがおりましたが、その美しさのあまりカシオペア女王は「うちの娘は神様の娘たちより美しい」と方々で自慢してまわりました。それを聞いた神々は怒ってアンドロメダを捕え、怪物のいけにえとして崖っぷちに縛り付けてしまいました。

                                         するとそこをちょうど勇敢な若者ペルセウス王子が通りかかり、怪物をやっつけて石にしてしまいました。助け出されたアンドロメダはエチオピアの国に帰り、その後ペルセウス王子と結婚して幸せに暮らしました。神様はその後王子の勇敢さをたたえ、3人を夜空に舞い上げて星座にしました。

                                         

                                         教科書の中では味気ないことしか書かれてない星座たちの裏にも、実はこんな隠れた物語があったりするのですね。テスト勉強に疲れたときは、気晴らしに秋の夜空を眺めてみるのもよいかもしれません。北極星を中心に夜空に寝そべってる3つの星座が、物語の続きを語りかけてくるかもしれませんね。

                                         ただし寒いから風邪とコロナには気を付けて下さいね!!(笑)

                                         

                                         

                                         

                                        2020年10月20日
                                        三角比~最終回

                                        三角比②の図2

                                         だいぶ日数が開いてしまいましたが三角比~最終回です。

                                         三角比の基本公式の3つ目、最後に出てくる

                                        1+tan2Θ=1/cos2Θ

                                         という最も覚えにくい公式です。

                                        これは前々回②の図2の三角形の

                                         

                                        3辺すべてをcosΘ で割って下さい(^^)/

                                         

                                        図5:3つ目の公式も三平方の定理です。

                                         

                                         

                                         

                                         

                                         そうすると、3つの辺は

                                        • 横 = cosΘ/cosΘ = 1 
                                        • 縦 = sinΘ/cosΘ = tanθ (略してt)
                                        • 斜辺 = 1/cosΘ(略して1/c)

                                        ​ という直角三角形になります。この三角形で三平方の式を作ってみると・・・三角比の3つ目の基本公式

                                        1+tan2Θ=1/cos2Θ

                                        が出来上がるわけです。つまりこのややこしい公式も、その正体は中学生の頃からテストでよく使っていた三平方の定理に過ぎなかったわけです。

                                         このように勉強のコツは常に

                                        「分からない問題と分かっている問題との関係を見つけ出す」

                                        ということです。ではどうすればその関係を見つけられるようになるのでしょうか。できれば授業日記を読んでくれた皆さんに今すぐここでその方法を教えたいところですが、それを習得するにはどうしても長い年月が必要になります。プロ家庭教師の坪井先生が日々の授業の中で解説しますね。

                                         

                                         

                                         

                                        2020年10月19日
                                        お問合せをされるお客様へのお願い

                                         数日までの残暑も過ぎ去り最近はすっかり寒い日々が続きますが皆様お元気でしょうか。

                                         さて本日はたいへん恐縮ですが、当サイトのお問合せフォーマットをご利用させる方へのお願いをこちらに記します。

                                         お問合せのページにご案内した内容と重複しますが、せっかくお問合せをいただいたお客様に当方から送信するメールが届かないといったご報告がありました。

                                         そこでトラブルの原因を調べたところ、迷惑メール等の対策としてお客様の携帯電話に「パソコンからのメールを受信しない」という設定をされていたことが原因でした。また「登録していないアドレスからの受信をしない」という設定をされたことが原因と場合もありました。

                                         お客様ご自身が設定した覚えがない場合でも、携帯電話の購入時にメーカーや販売店に設定してもらい、うっかりそのことを忘れている場合もあるそうです。ご記入いただいた連絡先がメールのみのお客様の場合はこちらからはそれ以外の連絡方法もないので、お手数をおかけして大変申し訳ありませんがお問合せ後数日たってもメールが届かない場合は携帯電話の設定をご確認していただくか、または当方受付TEL(029-291-7971)に直接おかけして下さい

                                         お客様のお手を借りてしまい大変恐縮ですが、謹んでよろしくお願い申し上げます。

                                         

                                         

                                        2020年10月18日
                                        早稲田理工に現役合格!

                                         新型コロナウィルスによって社会全体が大変な状態になっていますが、みなさんお元気にお暮しでしょうか。

                                         感染防止の一環として、こちらの家庭教師でも指導形態が様々に変わりました。その中で最も大きな変更点は、「オンライン授業」の開設です。ネット環境のある生徒たちに対して今年2月から試験的に始めてみたのですが、対面の授業と比べていろいろな点で新しい体験ばかりです。

                                         水戸の高校に通う高校3年のA君は、今年早稲田大学理工学部物理学科に現役合格しました(A君スゴイ!!)が、コロナのせいで入学式もなく、4月もしばらくの間休校状態でした。そこで大学が開講となるまで、大学で配布されたテキストを使い代数学や解析学などの数学の予習を指導しました。

                                         その中で「3次行列の固有値を求める」という非常に面倒な計算問題があり、A君と私がお互いにPCでオンライン会議をしながら何十分も計算していました。

                                        A君「答え出ましたよ。」

                                        私「A君計算はやっ!答え合わせしてみよう!」

                                        A君「全然違ってましたね。」

                                        私「計算ミス探してみるから、ノートを写メにとって送ってみて!」

                                        ・・・・そしてさらに数十分計算が続く・・・・

                                        A君「答え出ましたよ。」

                                        私「答え合わせしよう!」

                                        A君「また全然違ってましたね。」

                                        ・・・・そしてさらに(以下同上)・・・・

                                         こんなことが続いてるうちに、オンライン授業で使ってるPCですごいサイトを発見。なんと数値を打ち込みワンクリックすると、答えが一発で出る代数学の研究サイトでした。

                                        A君&私「こっこっこれはすごい・・」

                                        A君「自力で計算する意味あるんですかね。」

                                        私「そ、それはいい質問だね・・・。しかしひとたびその疑問を抱くと、今後数学を何年も勉強すると思ったとき暗澹たる気分になるかもしれないから、このサイトはとりあえず答え合わせのときだけに利用しよう。」

                                        A君「ですよね。」

                                         PCを多用するオンライン授業のひとときには、こんなこともあるのでした。

                                         A君早稲田理工現役合格おめでとう!!

                                         

                                         

                                        2016年5月31日
                                        三角比~③

                                        図3:

                                         三角比~其の三です。

                                        タンジェントの定義は

                                        • tanθ=y/x
                                           

                                         

                                        図4:公式(2)

                                        さて、この式を前回同様に3辺を r で割った図4に使えば、

                                        • tanθ=s/c

                                         公式(2)はタンジェントの定義と同じですね。

                                         

                                         

                                        2016年5月31日
                                        サイン、コサイン、ちんぷんかん(>_<)~②

                                        図1:中学からのおなじみ三平方

                                         さてお待たせいたしました。三角比~其の二です。

                                        右の図はおなじみ、中学3年生で学んだ三平方の定理ですね。そして下の式が高1で学校の先生から教わった、サインとコサインの定義。

                                        • sinθ=y/r
                                        • cosθ=x/r

                                         さて、ここで図1の三角形、

                                        辺をぜんぶ で割っちゃって下さい(^^)/

                                         

                                        図2:公式(1)はただの三平方でした(^^)/

                                         そうすると、3つの辺は

                                        • たて = y/r = sinθ (略して s!)
                                        • よこ = x/r = cosθ (こっちも c!)
                                        • 斜め = 1 (こっちは略しようがなった)

                                        ​ と図2の三角形になります。この三角形で三平方の式を作ってみると・・・図2下にある公式(1)になりましたね。

                                        つまり高校で新しく習った三角比の公式(1)、実はこやつ、難しそうなふりを装ってるけど正体はただの三平方です。中学生レベルです。大した敵ではありません。君たち高校生なら小指一本で倒せます。

                                         分からない問題に出会ったときは、どうすれば問題が解けるようになるのでしょうか。そのコツは、分かっていることとどう関係するのかを見つけることなのです。

                                         ということで、次回は公式(2)。その正体やいかに?乞うご期待!!

                                         

                                         

                                        2016年5月14日
                                        サイン、コサイン、ちんぷんかん(>_<)~①

                                        (3)なんて確かに覚えにくい(>_<)

                                         

                                         毎週数学を見ている高3の生徒のA子さんから、この間こんな質問を受けました。

                                        「先生、公式ってどうやったら覚えられるんですか?」

                                        A子さんは水戸一高に通う高校3年の受験生。県内でも優秀な進学校の1つで、中学時代までは得意だった数学も、三角比から苦手になったようです。

                                         確かに右の数式を見ても、遠いどこかの国の暗号文みたいですね。中学時代の数学はさすがにここまで意味不明な記号は登場しませんでした。もうサインコサインはあきらめて、この単元が出題されたい大学を受験しますか。するとA子さんはこう言いました。

                                        「でもサインコサインって数2Bだけじゃなく数1Aにもあるんです。この単元丸ごと捨てると、受けられる大学が一気に少なくなっちゃうんですよね(>_<)・・・」

                                        なるほど。どうやら三角比や三角関数は無視して通るわけにはいかない単元のようですね。それではこの呪文のような公式を理解する方法を、次回②に解説しましょう。(^^)/

                                         

                                         

                                        2016年5月9日
                                        中間テストにむけて

                                         ゴールデンウィークも明けました。中高生のみなさんは楽しい休日を過ごせたでしょうか。思い切り楽しく遊んだあとは、たいていあんまり楽しくない苦労ががやってくるというもんです。

                                         そうです。1学期中間テストです。学校や学年によってさまざまですが、早いところは5月中旬から始まります。新学期最初の定期考査。多くの学校は試験終了日にワークの提出もあることでしょう。日程やテスト範囲を把握してテストに備えましょう。

                                        「でもうちの学校、テスト範囲が出るの1週間前だもん。まだ出てないし、範囲が出てから勉強始めよーっと。」なんて思ってる中高生の君!5科目を7日間で終わらせるつもりですか。無謀です。提出課題のワークだけでも1科目20ページ以上あるし、テスト前に1回解いただけで正答できるなんてことは、よほどの天才でもない限り無理です。少なくとも天才でも鬼才でも白菜でもない凡人の坪井先生には、そんなアクロバット技はとうてい出来ません。

                                        「じゃあいったいどうすればいいの?」と思ってる中高生の君!答えは簡単、1週間以上前から対策すればいいのです。毎日学校に行ってるんですから、おおよそのテスト範囲なんて予測可能です。教科書の目次全体をよく眺めて自分なりに見当をつけてみましょう。きっと今まで思っていたよりずっと簡単に、テスト範囲の予想がついてきますよ。

                                         定期テストは多くの中高生にとってあまり楽しくない仕事。でも戦に出ると決めたのであれば、腹をくくって真田丸みたいに綿密に策を練って戦い抜いてみて下さい。本番直前で慌てて失敗しないように、ひとつひとつの仕事に対して事前に自分なりの計画を立て、それを成し遂げること。それができるようになれば、きっとテスト範囲に書かれていること以上に多くのものを学ぶことができると思います。頑張れ中高生(^^)/

                                        2016年4月10日
                                         卒業と入学と

                                         中学時代からずっと指導を担当してきた生徒さんが晴れて今年大学入試に合格し、長年の学習指導が終了しました。生徒さん(仮にA君とします)はADHDという学習障害を抱えている子。とても朗らかで感情に素直な子でしたが、長年にわたる指導の中ではときおり感情的になって、大声で怒鳴り散らしたり暴力的になったこともありました。中学から高校卒業までの4年間にわたる指導をふりかえって、拙い私が無事に大学合格まで指導を継続できたのも、ひとえにA君のお父さんお母さんのご協力のおかげだったと思います。
                                         しかしもちろん言うまでもなく、A君の合格は誰よりもA君自身のおかげなのです。学習障害を抱えてはいたものの、彼は非常に知的で思考の仕方がとても論理的な子でした。が同時にいくら「勉強しろ」と言い聞かせても、しない子でもありました(苦笑)。

                                         長らく指導を続けてきましたが、「勉強しろ」という言葉だけで勉強する子はそうそう多く出会えるものではありません。多くの生徒たちはしろといったところでしません。それは子供にかかわらず、大人でも大なり小なり同じことでもあると思います。ついつい飲みすぎたり、ダイエットをさぼったり・・・

                                         ある日の授業でA君に「また宿題さぼったのか!こらー!」と言ったところ、「先生、そういえばこの間腹筋毎日やるって言ってたけど、先生は今日やってきたの?」と手厳しい切り返しが来ました(^^;彼らしいフレンドリーな冗談でもあるわけなのですが、これは面白いと一計を謀り(苦笑)、A君が宿題をする時間帯は必ずこちらも腹筋をやる約束をしました。そしてお互いやったふりをしないよう、終わった時間にA君はノートの写メを、私は腹筋の動画をお互いの課題をメールで提出し合いました。途中で挫折することも多々ありましたが、そんなこんなでA君も学習習慣が出来上がり・・・(途中略)・・・晴れてA君はこの春大学受験に合格しました!!

                                         教育とは共に学ぶこと、それを教えてくれたA君、長い間ありがとう!持ち前のフレンドリーな性格で大学生活も謳歌して下さい!そしてついでに、腰回りのぜい肉がとれたのも君のおかげ(笑)!A君ありがとう(^.^)/~~~

                                        2014年9月25日
                                        発表会

                                        無事に本番が終わって一休み(^^)v

                                         今日は生徒の部活の発表会の日。水戸市の高校の演劇部で毎日演劇の練習に明け暮れる生徒さんです。

                                        「うちの高校の今回の演劇ぜったい面白いから、先生来てよね!!」

                                        強引な招待に応じ(笑)茨城県笠間市内の会場に向かい、彼の活躍を見に行ってきました。彼の言うとおりとてもすばらしい劇でした。

                                        勉強の方も部活と同じぐらい頑張っておくれよ(^_^)

                                        2014年9月16日
                                         頑張れ受験生!

                                         昨日は高校3年生の女子生徒さんの受験指導。彼女の将来の夢はお医者さんになること。私自身大学の専門が医学部だったということもあり、休憩の合間には解剖実習の思い出などをお話したりしました。

                                        (生徒さん)「解剖って人間の解剖したんですか?」
                                        (私)「もちろんそうだよ。」
                                        (生徒さん)「怖くなかったですか?」
                                        (私)「それが解剖実習期間中は、ものすごく忙しくてね。留年する人が一番多い学年もそのときだったから、もうみんな必死で実習してた。そのせいか誰もみな怖いと感じる余裕もないいような状況になっててね。」
                                        (生徒さん)「へえ・・・」
                                        (私)「でもそんな風に毎日無我夢中になって実習をやってたとき、突然隣の実習班から『きゃーー!!』という声がしてね。」
                                        (生徒さん)「え・・・何か起こったんですか?(汗)」
                                        (私)「隣の班の女子が、頭部の解剖をしていたんだけど、手からすべってご遺体の頭部が転がってしまって、」
                                        (生徒さん)「うわー」
                                        (私)「そのとき実習室の床を転がる頭部を見たとき、『自分は毎日すごいことをやっていたんだな』ということに気付いたんだよね。それまであまりの忙しさで気づけていなかったんだけど。」
                                        (生徒さん)「すごいな・・・」
                                        (私)「人間忙しいといろんなことを忘れたりするかもしれないけど、」
                                        (生徒さん)「はい。」
                                        (私)「どんなにこれから受験勉強が忙しくなっても、勉強したことは忘れないでね!」
                                        (生徒さん)「はい。・・・ってそれを忘れたら、何のための受験勉強だかわからなくなるじゃないですか(笑)」

                                         彼女も目下今までにないぐらい膨大な量の問題を解きまくってる過酷な日々。頑張れ受験生!あきらめない限り夢はいつか必ずかなうのです!
                                         

                                        2014年9月13日
                                        わすれもの

                                         昨日は教室授業の日。長いようで短かった夏休みが明けたら、生徒たちはさっそく定期テストが始まります。来週のテストに備えて、昨日教室を訪れた生徒が、水筒を忘れて帰ってしまいました。彼はいつもそそっかしいからなあ。テスト当日もうっかりミスしないように気を付けてね(^_^)
                                         

                                        ごあいさつ

                                        講師 坪井創 先生

                                        一人一人の生徒に合った学習指導をモットーとしております。お気軽にご相談ください。

                                        略歴

                                        昭和63年 山口大医学部入学

                                        平成13年 早稲田アカデミーにて数学講師として勤務

                                        平成19年 プロ家庭教師として開業

                                        お電話でのお問合せはこちら

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